個人出版した電子書籍を販売してみて2ヶ月経ったので感想をまとめてみた | 小説家のタマゴたちへ贈る、電子書籍出版のすすめ

個人出版した電子書籍を販売してみて2ヶ月経ったので感想をまとめてみた

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papirontul / Pixabay

「今では誰でも電子書籍を個人出版できる! 自由出版の時代だ!」
を証明するべく、実際にオリジナルノベルを個人出版して、販売するまでを体験してみた管理人です。(もちろん第一に自作小説を電子書籍として出版したかったという、自分の欲求もあったのですけれど)

BOOK☆WALKERで『白亜色の涙1』を販売開始した2017年1月19日から、約2ヶ月経ちました。
そこで、Kindleや楽天Koboも含めた感想をまとめてみようと思います。

・2017/09/18:BOOK☆WALKERについて情報追加
・2017/07/01:楽天Koboについて情報追加
・2017/05/30:楽天Koboについて情報修正

個人出版の敷居をなくしてしまった電子書籍作成サービス

まず個人的に一番驚いたのは、昔に比べて個人出版の敷居というものがほとんど感じられなくなったという点です。

今までも事あるごとに書いてきましたが、10年前は自作小説を書籍化しようと思ったら、コンテストで受賞するか、何十万円も初期費用を準備して自費出版するしかありませんでした。
しかも自費出版の場合は売れる見込みは少なく、献本や記念用、保存用が主な目的だったと思います。
もちろん当時からコミケのように、自費出版本を積極的に販売できるフリーマーケットのような場はありましたが、一般書店で扱ってもらうのはかなり難しかったはずです。

私自身が以前3年間ほど書店に勤めていて、店長経験までありますので分かるのですが、書店側からすると自費出版本を置くスペースがないのです。
書店は、限られたスペースの中で効率的に本を置き、とにかく売らなくてはなりません。
取次からの配本すら客層と合わない、売れないと判断すれば、その日のうちに返本していました。ときには配本の半分以上を即返品したことすらあります。
私が知っている限り、自費出版本を積極的に棚に入れてくれる書店は、地元とのつながりが深い個人店ぐらいです。

それが今では、電子書籍ではありますが、BCCKSのように無料で作成・販売できるサービスがありますし、Kindleや楽天Kobo、BOOK☆WALKERのような大手ストアでも簡単な配本申請するだけで販売することができます。
POD(プリント・オンデマンド)のおかげで、紙書籍だって無料で出版できるサービスが生まれています。

自分の書いた小説が、大手出版社の本と同じ販売の場に並ぶのです。
これは書店員経験がある私としては、ものすごい驚きと感動でした。

電子書籍を配本登録した3ストアの感想と比較

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Pexels / Pixabay

今回、電子書籍を販売するストアとしてBOOK☆WALKERAmazon Kindle楽天Koboの3店を利用しました。
実際に使用してみた感想をまとめようと思います。

実感としては以下の通りです。

  • 個人出版が初めてならBOOK☆WALKERがオススメ。運営のバックアップ力も高く、ライトノベルなら客層の反応もある。
  • Kindleは登録申請が少々煩雑。セレクトを使うかどうかが悩みどころ。
  • 楽天Koboは柔軟性が高いので、販促活動がしやすい。しかし売れない。無料本の使い方がポイント。

個人出版本の紹介もしてくれるBOOK☆WALKER

今回使用してみたストアで、もっとも個人出版本の販売に力を注いでいると感じたのは、BOOK☆WALKERです。

個人出版本の窓口になるBWインディーズ著者センターでは、個人出版するために必要な情報が分かりやすく紹介されていますし、配本申請も他のストアに比べて入力項目も少なく、とても簡単。個人出版にチャレンジしたばかりの私でも、迷うことなく登録できました。

また、BWインディーズ著者センターを通して販売した書籍をジャンル化していて、ストアの一号館(ライトノベルメイン)TOPページでもピックアップして紹介しています
一番下部にあるので、大手出版社の本と比べれば露出は少ないですが、それでもTopページに個人出版本の紹介枠があるというのは、他のストアにない利点です。

2017/09/18追加情報!(遅ればせながら……)
TOPページに紹介どころか、個人出版本の独立ページができています。
→「BOOK☆WALKERの個人出版本・同人誌配信サービス BWインディーズ
本当にここまで個人出版本を大きく取り上げている電子書籍ストアは、今のところ他にないと思います。

スタッフのオススメページでも、個人出版本を定期的に紹介していますし、「BOOK☆WALKER大賞」でもBWインディーズ部門があります。
(スタッフのオススメページでは、私の作品『白亜色の涙』『108界目の正直:異世界召喚はもうイヤだ』も紹介してくださいました。感謝!)

同じKADOKAWA系列の小説投稿サイト「カクヨム」でも「BOOK☆WALKER BWインディーズコンテスト」が開催されるなど、KADOKAWAではインディーズ作品および著者を、ビジネスモデルの一つとして取り入れようとしているように見えます。

正直、これだけインディーズ本をバックアップしている電子書籍ストアは、いまのところBOOK☆WALKERだけではないでしょうか。
特にライトノベル系の小説を書いているなら、一番オススメのストアです。

Kindleは登録が少々面倒。しかし地味に売れる

AmazonのKindleストアは、BOOK☆WALKERや楽天Kodoに比べて手続きが少々煩雑です
それでも2013〜2015年頃に比べれば、かなり簡単になっています。少なくとも2017年2月の時点では、初めの登録のときに必要な税制に対するアンケート記入が少々面倒なだけで、電子書籍の配本登録は思っているほど難しくはありません。

ただしBOOK☆WALKERのように個人出版本を表面に押し出してアピールしてくれたりはしませんから、販促はすべて自分でするしかありません。
自サイトやSNS、ペラサイト、ランディングページなど独自の宣伝が必要です。

ただ今回の私自身の経験からすると、地味ではありますが、本は売れます
99円という値段設定もあるのでしょうけれど、私のような無名の書き手の作品でも手に取ってくれる人がいるという点で、配本登録しておくことをお勧めします。

悩むのはKDPセレクトを利用するかどうかですね。

KDPセレクトは「Kindleだけで販売する」代わりに様々な特典がつくサービスです。
(参考;KDP「KDPセレクト」)

  • 印税:通常35%のところ、2倍の70%を選択できる。
  • 無料キャンペーンなど販促サービスを利用できるようになる。
  • Kindle Unlimited(定期購読料で読み放題のサービス)や、Kindleオーナーライブラリー(Kindleを持つAmazonプライム会員が月に一冊、無料で本を読めるサービス)に配本登録できる。

などなど、通常より多くの利点があります。

私の場合はBCCKSを利用して電子書籍を作っている時点で、Kindle専売はできないわけですから、初めから選択肢に含めませんでした。
しかし、別の方法でEPUBデータを作成しているなら、KDPセレクトを選択するのもいいのではないでしょうか。

楽天Kodoはいろいろできそうだけれど……

楽天Koboへの配本申請は、BOOK☆WALKERより複雑で、Kindleよりは簡単です。
販売の無料化や割引キャンペーンの設定などが自由にできますから、他の2社に比べて販促は強そうです。

ただし今回は、他2ストアに比べてまったくと言っていいほど売れませんでした。
単純に私が書く小説が面白くないという可能性が一番の理由だと思うですが、それにしても売れなさすぎます。

しかも不思議なことに、販売している電子書籍のページでは週間売上ランキングがUPしているのに、楽天ライティングライフのダッシュボードには販売数が反映されていませんでした

週間ランキングが何かの間違いなのか。ダッシュボードに不具合が生じているのか。
運営に問い合わせてみたところ、「現在ダッシュボードにおいて売り上げが反映しないといった事象を確認しております」と返信が来ました。(2月24日時点。3月17日現在も同様)

※2017/07/01追加情報
KWLのダッシュボードに売上情報が反映されるようになりました!(2017年7月1日確認)

印税振込前に送信される販売レポートを見れば、正確な販売数と収益がわかりますが……。

販売レポートは、ロイヤリティの支払いが発生する月の末日後、55日以内にメールで送られます。
(引用:楽天ライティングライフ「販売レポート(メール)はどんなかたちで確認できますか」)

楽天Koboは収益額が1万円を越えないと支払いされませんから、今のところ支払額が1万円超えるまで正確な販売数が分からないわけです。

※2017/05/30訂正
4月分の販売レポートが来ました。(2017/05/23に確認)
しかし、1万円には全然とどいていません。といいますか、1冊でした。
……思った以上に酷かった。個人的な嘆きはさておき、1万円に到達していないのに販売レポートが来たということは、上記引用文の「ロイヤリティの支払いが発生する月」という表記は「実際に振り込みが発生する月」ということではなく「将来支払いする売上額が発生した月」という意味ですね。
勉強不足でした。ここに訂正いたします。

この「販売数がはっきりしない」というのは、地味に精神にきます。ゼロならゼロと分かったほうがまだマシです。
BOOK☆WALKERやKindleでは、ほぼリアルタイムで販売数が分かるだけに、なおさら楽天Koboの不具合が目立ちます。

※2017/07/01追加情報(大切なことなので2度言います)
KWLのダッシュボードに売上情報が反映されるようになりました!(2017年7月1日確認)

個人的には、次回は楽天Koboでの販売は見合わせようかな、と半ば本気で考え中です。

初めて電子書籍を販売するなら、BOOK☆WALKERが一番オススメ

以上の体験から、初めて電子書籍を販売するならBOOK☆WALKER(BWインディーズ著者センター)をおすすめします。

  • 配本登録が簡単。
  • 他のストアに比べて、個人出版本の販売に力を入れている。
  • ライトノベルや小説の販売に強い。

この3点はKindleや楽天Koboに比べて大きなアドバンテージです。

BWインディーズ著者センターに慣れたら、Kindleや楽天Koboなど他のストアを利用してみるといいのではないでしょうか。

「自由出版の時代」は本当だった!

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Unsplash / Pixabay

このように、実際に電子書籍を個人出版・販売してみて思ったのは「今は本当に、自由出版の時代なのだ」という点です。

私は今回、お金を一切かけていません。無料サービスを利用して自作ノベルを電子書籍化し、大手ストアで販売までしました。
そして、今この瞬間にも、私の書いた小説がKindleストアや楽天Kobo、BOOK☆WALKERで販売されています。

一昔前までは自費出版に数十万円以上必要だったことを考えると、これはすごいことだと思います。
出版するのだと決心して、時間をかけさえすれば、あなたが書いた小説を電子書籍として世に発表できるのです。

もちろん印税で食べていけるほど売るには、小説の質を高めるだけでなく、宣伝を自分でしなくてはなりませんし、必ず売れる保証もどこにもありません。
しかし、コンテストで受賞しなくても、お金をかけなくても、書籍を出版し販売することはできます!

もし興味があったら、是非チャレンジしてみてください。
今は「自由出版の時代」なのです。

※もし、電子書籍の個人出版に興味がでたら、ぜひ当サイトの別記事をご覧ください。
■無料の電子書籍作成・販売サービスについて。
「電子書籍を無料で出版できる!お得なWebサービス4選」
■無料の紙書籍作成・販売サービスについて。
「今では紙書籍も無料で出版できる。驚きのPODサービス4選」
■出版代行サービスについて。
「電子書籍出版代行業者リスト」
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コメント

  1. のりたか より:

    こんにちは。
    のりたかというものです。

    わたしはメディバンというサイトを利用し、4大ストアー(キンドル、楽天kobo 、アイブックス、Google Play)に無料で投稿し、無料有料で販売しております。
    しかさ8月31日で外部ストアーへの販売が終了となります。2年利用しました。
    主様の記事によると、ブックウォーカーがとてもよいとのことです。
    角川さんのサイトなら間違いないでしすね。教えてくださり、ありがとうござました。投稿のやり方は難しいのでしょうか。

    • Atsushi.H より:

      はじめまして。管理人のAtsushi.Hと申します。
      コメントありがとうございます。

      ブックウォーカーは、私が体験した中では一番個人出版に力を入れてくれている電子書籍ストアだと思います。
      記事中にも紹介していたBWインディーズ著者センターに登録して申請するのですが、手続きそのものは他の電子書籍ストアよりは比較的簡単です。
      詳しい手順は、BWインディーズ著作センターの公式マニュアルサイト「電子書籍の作り方・売り方」を見れば、わかりやすく説明されていますので、ぜひご一読ください。

      ただ、販売登録には電子書籍のEPUBファイルや表紙画像が必要です。
      メディパンは使用したことがないので詳細が分からないのですが、投稿した小説のEPUBファイルを確保できるでしょうか。
      もしメディパンでEPUBファイルが作れるなら、申請は比較的簡単です。
      そうでなければ、別のサービスや自力で小説原稿テキストからEPUBファイルを作成する必要があります。
      (この点も「電子書籍の作り方・売り方」に説明されていますので、そんなに難しくはないと思います)

      BWインディーズ著作センターの使用感や感想については当サイトの記事「個人出版した電子書籍を、BOOK☆WALKERで販売してみた!」でまとめていますので、ご覧ください。

      少しでもお役に立てたら嬉しいです。
      どうぞよろしくお願いいたします。

  2. のりたか より:

    Atushi.H様
    ご返答ありがとうございました。
    メディバンでは「小説家になろう」のように、コピー&ペーストで横書きに作業するのみでした。そして表紙も何種類か利用できました。そうなりますと、メディバンのほうが相当お金のかかっていたサービスを無料で行っていたのですね。

    表紙をフリー素材などから仕入れるにして規格を合わせないとなりませんか?
    わたしとしては、いままでよりとても難しく感じています。

    いろいろ教えてくださいましてありがとうございます。キンドル等も出版が大変な感じがしました。
    もともとパソコンが音痴でして、失敗を重ね自力で覚えた次第です。
    以前、ワード文書に入っていた一つの物語を一瞬で消してしまいました。ただ戻るボタンを押せばよかったのに…。そのボタンを知らなかったのです。
    またわからないことがよろしくお願いします。

    • Atsushi.H より:

      のりたか様

      メディパンは他の電子書籍作成サービスと比べて、無料で大手電子書籍ストアに配本できた点ですごいサービスだったと思います。

      他の電子書籍作成サービスで、メディパンと同じサービスはちょっと見当たらないですね。
      私が知っている範囲だと、こんな感じでしょうか。

      パブー
       ◯ブログのようにテキストを入れるだけで電子書籍が作れる。表紙もテンプレあり。
       ×Kindle、楽天Koboへは有料で配本。

      forkN
       ◯ブログのようにテキストを入れるだけで電子書籍が作れる。表紙もテンプレあり。
       ×他電子書籍ストアへの配本は、自分で申請。

      BCCKS
       ◯ブログのようにテキストを入れるだけで電子書籍が作れる。シンプルな表紙なら作成は簡単。
       ×他電子書籍ストアへの配本は有料。もしくは自力で申請。

      ZERO電書
       ◯原稿を送るだけで、無料で電子書籍化。無料で17電子書籍ストアに配本。
       ×無料公開できない。投稿サイトではないので書き換えや変更は有料で申請。(自由に編集できない)

      ブックスペース
       ◯原稿を投稿して設定するだけで、Kindle、楽天Kobo、iBooksに無料で配本。
       ×原稿はWordで作成し、タグをいれなくてはいけない。

      「小説家になろう」に近い形で作成するなら、パブーやforkNがいいと思いますが、無料で販売できるのはそれぞれの独自ストアのみになります。
      独自ストアを比べて、より販売力がありそうなのはパブーでしょうか。

      表紙作成はそれぞれのサービスのテンプレを使うか、画像・イラストファイルのアップロードですね。
      テンプレは字が入る程度のシンプルなものですし、画像・イラストを使うなら指定の規格がありますから編集が必須だと思います。

      また良いサービスを見つけたら、記事にしてお知らせしようと思います。
      どうぞよろしくお願いいたします。

  3. のりたか より:

    Atsushi.H 様

    様々な投稿サイトを教えて下さりありがとうございます。
    知っていたサイトや知らなかったところもありました。
    forknは一度、投稿したことがありました。あまり自分で営業しないためか、読み手が少なく退会しました。
    その次にブックスペースを見つけました。ワードからコピペをしているさなかにメディバンを見つけたのです。
    即、メディバンへ登録しました。そして投稿をし、四大ストアにも書籍として並んだ次第です。
    どう見つけたかというと、偶然と思います。昨年からブログを始めまして、あまりの凄さにそちらにも紹介しております。今年の四月頃からブックウォーカーも加わり、五大ストアへの投稿になりました。
    のりたかの物語もいつのまにかブックウォーカーに掲載されております。正規の投稿ではないのにブックウォーカーへの掲載です。正規ですと、わたしでは難易度を感じます。
    またいろんな無料の投稿サイトをよろしくお願いします。
    わたしもなにか気が付きましたらAtsushi様へお伝えしたいと思います。
    ありがとうございました。