個人出版の豆知識!電子書籍にISBNと書籍JANコードは必要? | 小説家のタマゴたちへ贈る、電子書籍出版のすすめ

【電子書籍出版】ISBNと書籍JANコードは必要?

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ISBNとJANコードとは

geralt / Pixabay

普通の書籍やコミックの裏表紙に必ずある13桁の数字と二列のバーコード。
これがISBNと書籍JANコードです。

ISBNは書籍を特定するための管理番号であり、書籍か、それに類する決められたものしか登録できません。
つまりISBNがついているということは、立派な書籍であることを示しています

しかし、電子書籍を個人出版するときにも必要かというと、そうではありません。

ISBNは「国際標準図書番号」

日本国内で唯一ISBNを管理する機関である日本図書コード管理センターでは、ISBNについて、下記のように説明しています。

ISBN(国際標準図書番号:International Standard Book Number)は、固有の書籍出版物を発行形態別、1書名ごとに識別するユニークなコードとして、今では世界117の国と地域(2011.6現在)で発行される書籍に表示されています。参考:日本図書コード管理センター

つまりISBNは、書籍の国籍と出版社名を登録して、書籍の取引や管理につかう国際的な統一番号です。

1書籍に1つの番号が割り当てられますが、出版社や書籍の形式、使用言語が変われば別番号が必要になります。
たとえば同じ内容でも単行本と文庫本ではISBNは違うのです。電子書籍なら、Kindleとkoboなどデータのフォーマットでも異なります。

日本の場合は、このISBNコードに書籍の分類と価格を併せて表記した「日本図書コード」が用いられています。
さらに販売する際は「日本図書コード」を2列のバーコードで表示した「書籍JANコード」をつけることが一般的です。

これらコードは書籍への付与が義務づけられているわけではありません。
しかし、一般の流通ルートで販売するなら要求される可能性が高いものです。
特に紙書籍の場合は、書店で販売するときに登録されバーコードをPOSレジで読み取りますから、日本図書コードとセットで書籍JANコードが必須になります。

また、非売品であっても図書館に置かれる場合などには、管理のためにISBNの提示が求められるようです。

電子書籍でもISBNは必要?

それでは、ネットで販売することが前提の電子書籍の場合は、ISBNを取得し作品に表記しておくべきでしょうか。

調べてみた限りでは「電子書籍の場合、ISBNは必要不可欠ではない」です。

電子書籍も紙書籍と同じで、ISBNの表記は義務ではありません。
ただ、日本図書コード管理センターでは、電子書籍へのISBN表記を推奨しているようです。

書籍出版物を市場で流通・販売する場合は、書籍JANコードを表記・印刷することが不可欠です。ネット書店を通じて販売する場合にも表記を求められることもあります。
(参考:参考:日本図書コード管理センター

ですが、AmazonのKindleストアではISBNは必要ありません

もちろんあれば登録も可能ですが、ない場合はAmazon独自の管理番号であるASIN (Amazon Standard Identification Number) が割り当てられます
(参考:Kindle ダイレクト・パブリッシング「ISBN」

楽天koboもISBNの登録は任意で、販売管理には独自の商品番号が割り当てられるようです。
(参考:楽天Koboライティングライフ「ユーザーガイド」

また、ISBNや書籍JANコードの取得には費用もかかります。

ISBNは登録書名の数によって違い、10書名分(出版者記号7桁)は20,000円+税、100書名分(出版者記号6桁)は34,000円+税が必要です。

書籍JANコードの登録料は3年更新で、出版物の年間総売上高によってランクが変わります。
販売開始1年未満の出版者はEランクからで、3年間で10,000円+税。

つまりISBNと書籍JANコードの取得には、初期費用として最低でも30,000円(税別)が必要になるのです。
(参考:日本図書コード管理センター」)

こうしてみてみると電子書籍を初めて個人で出版する場合には、必要性からもコスト面からもISBNを取得しなくてもいいと思われます。

実は、ISBNと書籍JANコードは後から登録・取得もできます。
将来的に紙書籍も出版することになったり、図書館で扱ってもらうことになったときに、あらためて登録を申請しても遅くはないでしょう。
(参考:日本図書コード管理センター

電子書籍を個人出版するならISBNは必要ありません。しかし将来は……

klimkin / Pixabay

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このように、ISBN(日本図書コード)と書籍JANコードは、書籍に付与できる管理番号で、紙書籍を出版販売するなら必須です。

しかし、電子書籍を個人出版する場合は、必要なわけではありません。
むしろ手続きの手間やコスト的な負担を考えたら、かえって個人出版の敷居を高くしてしまうでしょう。

電子書籍を個人出版するなら、はじめはISBNを取得せず、必要に応じて申請するほうが良さそうです

ただ個人的には自分の小説にISBNを付与できたら、国際的に認められる書籍として出版できたという実感を得られそうですね。
電子書籍ならISBNだけで良さそうですし、ただの見栄かもしれませんが将来的には申請したいものです。

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コメント

  1. […] 以前の記事、「【電子書籍出版】ISBNと書籍JANコードは必要?」でもご紹介しましたが、紙書籍を一般の書店で販売する場合にはISBNを含めた書籍JANコードが基本的に必要になってきます […]